くずし字学習7 漢文と漢文調の文

漢文、変体漢文、候文、、、

 古文書、古典では、漢文的な表現が多いため、漢文の基礎知識が必要です。我々は、漢文というと、高校時代の国語の時間の漢文を思い出します(これは、普通は古代中国で使われた文を指します)。

 古文書、古典では、漢字だけで書かれたものから、僅かにかなが入ったもの、漢字かな交じりの漢文調のものまで様々です。これらは、いずれにしても、たいていは、正統的な漢文、あるいはその書き下し文ではなく、中世近世の独特な漢文(和漢文、和様漢文、変体漢文という)になっています。よく目にする候文を頭に描いていただければよいかと思います。また、使われる語彙も現在のものに似ているようではありますが、意味が違ったりもします。

学習法

 従って、学校で習った漢文とは違いますので、高校の教科書を一生懸命マスターしても、ちょっとずれがありますので、教科書の勉強はそこそこでよいでしょう(くずし字の学習では、ということです)。

 それでは、ということで、日本の古典の知識をベースに「実物に当たって砕けろの精神」もありかもしれませんが、一度、変体漢文(候文)の基本をおさらいしておくのがよいかもしれません。その場合の参考書として、例えば、「日本史を学ぶための古文書・古記録訓読法」(吉川弘文館)などがあります。

 一通りの知識を持てると、「御堂関白記」、「吾妻鑑」などの漢字がぎっしりの古典も、狭義の古文書も、江戸時代の大衆向け読み物も、内容の理解がそれ以前よりも進んだ、という実感を持てます。

 なお、「吾妻鏡(東鑑)」には、レ点(返り点)や送り仮名の書かれた版や、それらが全く無い版など様々あります。最初は、前者で慣らし、その後で漢字のみの版に挑戦することもでき、「吾妻鏡」は教材としてお勧めかもしれません。

 また、明治期の文書を読むに当たっては「日本近代史を学ぶための文語文入門」(吉川弘文館)などという参考書もあります。

 

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