仏教にはいろいろな宗派があります。街歩きで、たくさんのお寺を訪ねました。お寺はそれぞれ宗派が決まっているようですが、でも私達には宗派による違いがいまいちピンときません。
最近、**ポイントというのがよく使われています。買い物やらなにやらでポイントが貯まります。ポイントが貯まると、買い物に使ったり、何かに交換したりできます。
このポイントを使って仏教各宗派の違いを説明できるだろうか、というのが、この記事の視点です。つまり、何らかの宗教活動をするとポイントがゲットでき、ポイントが貯まるとなにか良いことがあるとして、仏教の各宗派において、それらは一体なんなのか、ということです。
そこで、先ず、「ポイント加算」と「ポイント交換」を述べ、最後に宗派ごとにそれらがどう違うかを表にまとめました。
なお、この記事では、できるだけ難しい仏教用語は避けるようにしています。
佐々木閑氏の「大乗仏教」に、ポイントを使った仏教のお経の説明がありました。非常に分かりやすかったので、そのアイデアを参考にこの記事を書いています(アイデアのパクりともいいます)。
ポイント加算
日本に伝わった仏教は現在たくさんの宗派に分かれていますが、ほぼすべて大乗仏教です。その共通点は、善行によりポイントがゲットできる、ということです。善行とは、正しい行いをすること、他人のためにつくすことです。何か良いことをすると、チャリンとポイントが増えるんです。
更に、宗派ごとに様々なポイント加算方法が用意されています。これがそれぞれの宗派の「売り」であり、当然にもアイデンティティになっています。後ろの表にそれらをまとめました。
ポイント交換
ポイントを貯めて得られるものは宗派によって異なりますが、共通なのは(本来は)、魂の安寧です。悟る、仏になる、涅槃に至る、などいろいろ表現されます。
そうはいっても、悟りなんて私達凡人には遠くのお話です。もうちょっと分かりやすい表現が欲しいので、死んだらどうなるのか、生きているうちになにかいいことがあるのか、という観点で、後ろの表にまとめました。後ろの表では「仏になる」で表しています。
なお、日常の会話で、死ぬことを仏になると表現することがありますが、ここでは、特に断りがないかぎり、死ぬことと仏になることは分けて考えています。
日本の仏教各派について
密教系、浄土宗系、日蓮宗系、禅宗系とに大きく分けました。それぞれに何宗が含まれているのかは表に書きました。
ポイント加算とポイント交換の一覧
宗派グループ | ポイント加算 | ポイント交換 |
密教系 (天台宗) (真言宗) | ・善行 ・真実を求める修行 | 誰でも生きながら仏になれる |
浄土宗系 (浄土宗) (浄土真宗) | ・善行 ・「南無阿弥陀仏」を唱える | 死ねば仏になれる(注) (あの世を重視) |
日蓮宗系 | ・善行 ・「南無妙法蓮華経」を唱える | 誰でも仏になれる (現世を重視) |
禅宗系 (臨済宗) (曹洞宗) | ・善行 ・禅による修行 | 仏になれる可能性がある |
さあ、あなたはどの宗派にしますか。
それにしても、各宗派をポイントで表すのはとても難しいことが分かりました。何しろ、ポイント加算の仕組みが大変複雑そうですし、ポイント交換で得られる「仏になる」の意味が多様すぎます。
参考 「寺社訪問 虎の巻」シリーズの記事のリスト
「寺社訪問 虎の巻」では以下のような記事を書いています。