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新型コロナ感染症

新型コロナウイルスへの対応 その8 「人出のデータから今後の感染者数の傾向を予想する方法」

ここでは、NHKのサイトの人出のデータをもとに今後の感染者数の増減を予測する方法につき提案しています。この方法については、以前、街歩きの仲間にメールで伝えたものとほぼ同じですが、ここでは、それを整理して書き直しています。

先ず、手っ取り早く、人出のデータから今後の感染者の増減を予測する手順を書き、その後、その根拠、注意等を説明します。最後に、今後の予想を書きます。また、入手できるデータの制約により、ここでは東京都を中心に書きます。

なおここでは、感染者数として、日々発表される新規感染者数を用います。ただし、市中には、発表される新規感染者数よりも遥かに多い数の潜在感染者(検査で見つかってはいないが感染力のある人)が存在してますので、新規感染者数それ自体は信頼性に乏しいデータであることに留意願います。飽くまでも、日々発表される新規感染者数に一喜一憂せずに済むように、という趣旨で書いています。

<追記> ここで述べた予測方法を用い、東京都の新規感染者数を予測した結果をブログ「表計算ソフトを使い、東京都のコロナ感染症新規感染者数の2週間予測をしてみた」に書いています。予測した結果のみを知りたい方はそちらを参照して下さい。

人出のデータから感染傾向を推定する手順

  1. 先ず、NHKの「街の人出は? 全国18地点グラフ」を見て下さい。
  2. 渋谷のスクランブル交差点を開いてください。
  3. 人出が6000人程度であれば、感染者数はほぼ横ばいに近づきます。それを越すと感染者数は増加し、それより十分少なければ感染者数は減少するもの、と思われます。その効果は、日々発表される東京都の新規感染者数として2週間後に現れます。新規感染者数についてはいろいろなサイトで見られますが、例えば、NHKの「特設サイト 新型コロナウイルス」の「都道府県ごとの感染者数の推移」の項、などで見ることができます。

PCR検査数とか陽性者の捕捉率など考慮しなければならないことは他にもありますが、ここでは、簡単のため人出の数値のみに着目しています。なお、渋谷のデータを使う理由は、過去のデータを比較してみるとどういうわけか、渋谷の人出データが東京都全体における人々の接触状況の平均に近いらしい、ということによります。

以下に若干の注意事項を書きます。

人出の数値の読み取りは大まかに行ってください。日々の変化はあまり気にしないで下さい。つまり、精度はあまり高くはありません。又、新規感染者数についても日々の値ではなく、数日間の平均(東京都は曜日によって検査数が大きく異なるようですので1週間の平均)で傾向を判断して下さい。また、今後、お店やイベント会場などの対策の改善、検査・医療体制の変化、ワクチンその他の要因で状況が変わりえますので、そのときは上の判定基準を変更しなければなりません。

人出と感染者数の関係

上のNHKのサイトで、各地点での様子を見ると、人出の状況が分かります。東京の各地では、2月から3月にかけて、普段より若干少ないものの、かなりの人出が続いていました。しかし、小池都知事が「都市のロックダウン」という言葉を使った頃、志村けんさんが亡くなった頃、つまり3月末に人々の行動が変化し人出が急速に減り始めました。そして、緊急事態宣言が発せられたこともあり、4月、5月と人出は低水準で移行しました。

下の朝日新聞デジタルの図には、日々発表される新規感染者数を薄紫色の棒グラフで、そこから分析して求めた感染日ベースの感染者数を紫色の曲線で表しています。上の人出データと下の図を対比すると、人出の影響が推定感染日の感染者数に見事に反映していることが分かります。人出が多いときは急速に増加しており、人出が減ると減少に転じています。なお、推定感染日は図にある説明のとおりで、日々発表される新規感染者数とはほぼ2週間のズレが見えます。

感染増大が一旦収まった5月以降については、人出データを見ると、緊急事態宣言が解除された5月中旬ころから、人出が少しづつ増え始めました。下は、朝日新聞デジタルの新規感染者数の図です。人出が増え始めると新規感染者数も徐々に増え始めています。

ここで、6月から7月にかけての人出データをよく見ると、凸凹はあるものの、6月末まで人出が増え続けていたのですが、7月に入って新規感染者数が100人を越した時点で、増加傾向は一先ず止まったように見えます。一部の地域では減少も見られます。日々発表される新規感染者数は、実際の感染日から2週間程遅れて現れますので、7月中旬から増加が収まる可能性があります。実際、上の新規感染者数の図をみると、7月中旬には増加傾向が弱まり横ばいに向かっているようで、人出の増加が止まった効果が現れているようです。

人出のデータが有効な理由

上に書きましたように、人出と新規感染者数にかなりの関係が見えます。そして、発表される新規感染者数は人出から2週間程度遅れますので、その差により、将来の予想ができることになります。

この記事では、上述のように、人出データをもとに新規感染者数を推定しているわけですが、その根拠は、ワクチンが大量に接種できるようになるまでは、感染を抑えるには人々の接触機会の削減に頼るしかない、という事実にあります。接触機会を表すデータは見当たらないのですが、上で使った人出データは、接触機会をある程度表すものと期待できます。なお、PCR検査をして見つかった感染者を隔離する手法は大変重要ではあるのですが、感染拡大防止の観点からは効果が限定的です。計算してみると分かるように、接触削減率で数%程度の効果です(詳細は、私のブログの別記事を参照してください)。ここでは、基本再生産数の中に含まれるものとして扱っています。

予測方法の説明

ここで。上に書いた、NHKのデータから感染者の推移の予想方法を、もう少し詳しく説明します。ここでの予測とは、2週間後の新規感染者数の増減の傾向を予測することを意味します。また、数値は東京都(渋谷のスクランブル交差点)にのみ当てはまります。

以前書いたブログでは、基本再生産数R0を1.8としましたので、ここでは、それと同じ程度だった3月の人出を基準にします。地点については、日々の変動の少ない渋谷のスクランブル交差点のデータを使います。3月頃の渋谷の人出が1万人くらいですので、これを基準として、接触機会削減の割合(ここでは、人出の減少割合)を0%とします。

この場合、人出が40%程度の減少となると感染者の増加は横ばいあるいは微増、40%以上減少で感染者は減少、40%以下の減少で感染者増加です。

なお、R0については、2.5などとする例もあるのですが、ここでは、扱いを簡単にするために、日本人のマスクうがい等の生活習慣他のいわゆるファクターXの大部分、及び、PCR検査と隔離による効果などの要素をすべてを基本再生産数R0の中に繰り込んだ結果として1.8としています。

4月以降、人出は一時大幅に減ったものの、5月、6月と人出が増加傾向を示し、6月後半は徐々に7000人に近づき、人出は30%減程度までに増えました。そのため、この間感染者数の増大が続きました。

7月に入り、若干人出が減ったようにも見えますが、せいぜい6000人になった程度でした。このとき、人出の減少割合は40%程度です。これでは、感染者数は横ばいの可能性はあるものの、減少はあまり期待できません。

実効再生産数は、本来は一人の人が何人に感染させるかを表す数値ですが、以下では、その近似として、1週間で何倍になるか、という数値とみなすことにします。本来の実効再生産は週毎の倍数よりも少し1.0に近い値になるのですが(べき乗の関係になるのですが)、どうせ精度はあまり高くないので無視することにします。又、今後状況に応じてパラメータの調整が必要であることに留意する必要があります。

計算式

基本再生産数をR0、人出の減少の割合をp、とすると、実効再生産数Reは以下のように書けます。

Re=(1-p)R0

渋谷の人出が6000人の場合、pは0.4ですので、Reは1.08となり1を若干オーバーし、横ばいよりも若干増えることになりますが、この0.1程度の誤差はご容赦下さい。

基本的な考え方は上の式のとおりですが、人出データが大きく変化している途中でも使えるようにするには、若干の変更が必要そうです。下は、修正した実効再生産数です。

Re=(1-p+q)R0=(M/10000+q)R0

ここで、渋谷のスクランブル交差点の人出の人数そのものをMとした式も示しましたので、必ずしも人出の減少の割合pを使う必要はありません。qは、人出データの増減に応じて調整するパラメータで、人出が顕著な増加傾向にあるときは+0.2、急激に減っているときは-0.2、変化の少ないときは-0.05とします。人出が増加中の場合は、アクティブな人が先ず活動を始めるので感染を広めやすいと考えられるため、又、人出が減少中の場合は、やむを得ず移動している人の割合が増え、この人達は人との接触を減らす傾向にあると考えられるためです。これでお分かりかと思いますが、qはあくまでも数値の調整上導入した値であり、検証できているわけではありません。

また、PCR検査数が大きく変化すると、新規感染者数もそれに応じて変化しますのでそれを考慮する必要もあります。なお、PCR検査数の増減が、新規感染者数の増減に影響を与えることは確かですが、この2つは同時に起きますので、新規感染者数の予想には使えません。そのため、上記の式にはPCR検査数の増減を組み込んではいません。現在から過去を振り返って、新規感染者数の増加・減少傾向がなぜそのようになっていたのかという説明をするだけです。

また、ここでは、人出の数値をそのまま使っていますが、これは恣意的な操作を含んでいます(数値が合うような地点を選び、式が合うように基本再生産数を設定した、qを検証なしに使った、という事実があります)ので、詳細についてはあまり深く追求しないでください。つまり、以上の記述で、1割程度の誤差は大いにありえますことご理解下さい。

更にまた、最初に書きましたように、以上の記述は、7月現在での企業・施設・イベント等での感染対策、個々の国民の感染対策の状況に合わせてありますので、今後状況の変化に応じて、判定基準を変える必要が出てきますので、ご注意ください。

今後の予想(コロナ予報)

この項は7月28日に書いています。

7月に入り若干人出が減ったおかげでReは(式の上では)1.0程度になったものと思われ、その2週間後(7月中旬)には新規感染者数の増加の速度は鈍ったようです。その後、7月中旬、人出に若干の減少が見られるものの顕著な減少ではありません。そのため、今後しばらく(8月10日頃までは)、感染状況は横ばい状態が続くものと思われます。4連休の影響は2週間後、8月10日前後にはっきりするでしょう。ただし、東京都では、6月頃からPCR検査数が週に1.2倍程度の割合で増えていましたので、新規感染者数もそれに応じて、潜在する感染者数(検査されていないが感染力のある人の数)も含めた全感染者数の増減より少し増加気味に推移しているようです。

神奈川県、埼玉県については(定性的ではありますが)、7月始めに人出の増加は止まり僅かに減ったようにも見えますが、その後ほとんど横ばい又は微減です。新規感染者数は、東京都と同様の経過をたどるのではないかと思われます。

首都圏以外の大都市圏においても(定性的ではありますが)、7月に入ってからの人出は、横ばい状態で減少はほとんど見られません。全国的には、首都圏からの拡散も相まって、感染者の増加傾向はもう暫く続くものと思われます。大阪は4連休で若干人出が減ったようにも見えますので、8月10日頃には感染者の増加が弱まる可能性があります。

人の動きが感染の増加・減少を大きく左右することは確かそうです。コロナとの付き合いはこれからも長期間続きそうな状況であり、接触削減のために行動自粛をするだけでは、経済が回らなくなり、生活が成り立たなくなるのも自明なことです。人々がある程度動いても感染拡大を阻止できる体制・仕組みをなんとか作れないものでしょうか。

8月8日の追記 今後の予想

東京都は、7月に入り若干人出が減ったようですが、その後の4連休を含め一月ほど増減を繰り返しました。その間の人出は全体的に少し減る傾向にあるようには見えるものの、顕著な変化は見られません。従って、この後、8月下旬まではReは1.0程度で推移するもの思われます。なお、東京都では、6月頃からPCR検査数が週に1.2倍程度の割合で増えていましたので、新規感染者数もそれに応じて少し増加気味(週に1.2倍弱)に推移していたものと思われます。しかし、今後、6000人辺りでPCR検査数の増加が止まると、新規感染者数は若干の減少傾向となるでしょう(現在、検査数の増加が止まっているように見えますが、今後どうなるかは不明ですので、これは根拠のない予想です。ご注意を)。

埼玉県もあまり大きな変化はありませんので、今後の新規感染者数は東京都と同様な動きになるものと思われます。

神奈川県は、この1週間程、人出が減ったようにも見えますので、新規感染者数の今の増加状態は8月後半には収まっているかもしれません。

名古屋、福岡は人出の減少傾向が見えますので、最近の新規感染者数の横ばい状態は本物かもしれません。

全国的には、予想材料を持ち合わせておりませんが、感染増大は落ち着く方向に向かっているものと思われます。地方各地の映像を見ていると、GoToキャンペーンで心配した大都市と地方の間の移動はそれほどは多くなさそうで、観光地などの人出も少なさそうに見えます。別の見方をすると、GoToキャンペーンは失敗した?ということになりそうですが、今回のピークが過ぎれば人々は動き出すかもしれませんので、今後については、なんともいえません。

コロナとの付き合いはここ当分続くことは明らかです。その間、経済を回すためには人の移動・交流が不可欠です。医療と検査・隔離の体制強化は必須として、その他に、人が活動しても感染を少なくできる仕組みをなんとか構築できないものでしょうか。その仕組を構築した上で、GoToキャンペーンなど活性化の為の策を積極的に行って欲しいものです。以下、私の希望です。

  • 会社、施設、イベント会場等での適切な感染防止策(根本的な対策から個々の対策まで)、スマホアプリなどのITの活用、などの仕組み構築の施策が欲しい。
  • 情報リテラシーならぬ、コロナリテラシーを高める工夫、つまり、感染防止策を講じる側の人たちの知識を高め、私達一人ひとりの知識を充実させる施策が欲しい(感染予防策でもあり、いかがわしい情報に振り回されることなくコロナを正しく恐れるためにも不可欠です)。

8月20日の追記 今後の予想

東京都の8月中旬は、渋谷のスクランブル交差点では人出は僅かに減少傾向にあるように見えるものの変化は小さいものでした。しかし、東京駅他のいくつかの地点ではお盆の人出が少し減っているように見えますので、東京都のReは1.0~0.9程度になっており、感染は横ばいあるいは若干の減少状態にあるものと思われます。現在、PCR検査数の増加が止まり幾分減少傾向にも見えますので、この後、8月末から9月にかけて、新規感染者数は減少状態(週に0.9倍程度)が続くものと予想されます。しかし、急激な減少を期待できる材料は見つかりません。

埼玉県でも8月の人出にあまり大きな変化はありませんので、今後の新規感染者数は東京都と同様な動きになるものと思われます。神奈川県は、お盆には人出が減ったようにも見えますので、8月末は、新規感染者数が減少しているでしょう。

名古屋、大阪、福岡は、程度の違いはありますが、それぞれ人出の減少傾向が見えますので、8月末は新規感染者数の減少が続いているでしょう。

コロナとの付き合いはここ当分続くことは明らかです。経済を回すためには人の移動・交流が不可欠です。感染拡大防止の対策として、人出を減らすこと以外に方法がないのであれば、経済が回りません。人が活動しても感染を少なくできる仕組みをなんとか構築できないものでしょうか。

8月31日の追記 今後の予想

東京都の8月下旬、渋谷のスクランブル交差点での人出には殆ど変化がありませんでした。新規感染者数は9月中旬まで現在と同じ程度の僅かな減少傾向(週毎に0.9倍程度)が続くものと予想されます。

埼玉県では8月末に少し人出が増えたようですがわずかで、神奈川県も人出にあまり変化がないようですので、現在の傾向はしばらく続くものと思われます。

9月14日の追記 今後の予想

9月上旬は東京都の渋谷のスクランブル交差点での人出には殆ど変化がありませんでしたが、10日を過ぎてから人出が増えているように見えます。もう少し様子を見る必要がありますが、人出がこのまま増加すると、新規感染者数は現在横ばい状態ですが(横ばいの理由は不明。8月末からの新宿での週末の人出増は気になりますが、関係は分かりません)、9月下旬には増加傾向になるかもしれません。

神奈川県の人出は、8月中旬から現在まで微妙に増加傾向にあります。9月下旬の新規感染者数は横ばいあるいは微増かと思われます。

9月26日の追記 今後の予想

東京都の9月19日からの4連休は、渋谷のスクランブル交差点では人出が少し増加しました。従って、10月初旬の新規感染者数は増加状態(週毎に1.2倍程度の増加)になっているおそれがあります。ただし、感染対策などが十分に進んでいるとすれば増加は穏やになると思われますが、実際はどうなっていますか、、、

神奈川県については、人出が9月に入り少し増加した後に横ばい状態が続いています。9月下旬から10月にかけて、新規感染者数は横ばいあるいは微増の状態がしばらく続くものと思われます。

10月6日の追記 今後の予想

東京都での9月19日からの4連休には、渋谷のスクランブル交差点では人出が少し増加しましたが、それによる新規感染者数の増加はわずかだったようです。感染対策が効果的に行われているおかげかもしれません。人出もこのところ落ち着いたようですので、10月中旬には新規感染者数はほぼ横ばい又は微減になっているでしょう。

神奈川県については、9月末に人出が少し増えましたがその後は落ち着いていますので、新規感染者数は10月10日過ぎに一旦若干の増加はあるかもしれませんが、その後は減少方向に向かうものと思われます。

GoToキャンペーンの対象地域が広がり、京都など観光地の休日の人出が増加していますので、今後観光地など人の集まる場所での感染状況に注視する必要があります。各地での感染防止策が有効に機能していることを願うばかりです。

10月19日の追記 今後の予想

東京都では、10月17、18日の渋谷のスクランブル交差点での人出が大幅に増加しましたので10月末には一旦新規感染者の増加があるかもしれません。ただし、都内の他の地域では特に目立った変化がありませんでしたので、この予想にはあまり自信がありません。

神奈川県については、10月に入り人出が徐々に減少傾向を示していますので、新規感染者数は10月下旬は減少状態に転じているものと思われます。

11月7日の追記 今後の予想

東京都では、10月17日の前後に渋谷のスクランブル交差点での人出が大幅に増加したため少し心配しましたが、さいわい、新規感染者の大幅な増加にはつながらなかったようです。しかし、その後、人出が多めの状態が続いていますので、新規感染者数はしばらく現在の増加傾向が続きそうです。

神奈川県については、10月に入り、人出が一瞬減ったように見えましたがその後高止まりしているようですので、11月の新規感染者数は、東京都同様、しばらく増加が続くものと思われます。

11月7日の追記 これまでの総括

東京都は渋谷のスクランブル交差点の、神奈川県は横浜駅周辺の人出のデータを用いて、8月頃からコロナ予報を始めてみました。予報の成績は一言でいうと「まずまず」でしょうか。

1、2週間後の新規感染者数の動く方向が予想できますので、日々発表される新規感染者数に一喜一憂することは確かに減ります。その意味で、この予報は有用かと思われます。

今までの試みで分かったことは以下のとおりです。今後は、大きな変化がありそうなときだけ、コロナ予報を書くことにします。

  • 選んだ地点は、その都県の平均的な状況をある程度表しているらしい。東京と神奈川以外でも、人出の(値ではなく)変化の様子から、新規感染者数の変化傾向が予想できることもある。
  • 新規感染者数の変化点と変化の方向はある程度分かるが、数値(週毎の増減の割合≒Re)についての誤差は避けられない。
  • 新規感染者数に対し検査数の影響は当然にも大きい。発表される新規感染者数の信頼性の低さはここにも現れる。
  • 感染対策の進み具合に応じて、式の中のパラメータqを調整する必要がありそうだ(例えばq=-0.1)。

11月17日の追記 今後の予想(特に、北海道)

東京都と神奈川県での人出は、相変わらず多めの状態が続いていますので、新規感染者数は11月下旬は現在の増加状態が続くのではないかと思われます。

ところで、現在、北海道での感染者数が大幅に増加中です。その要因として、気温の低下による、ウイルスの活性化や換気の悪化が挙げられる場合があります。ここでは、人出との関係を見てみようと思います。ただし、この手法が使えるのは、北海道の感染者の内かなりの多くの人が札幌市となっている今だけに限られそうです。また、私には、人出データの数値そのものの意味は理解できておらず、ただ単に、増減傾向のみでの判断しかできません。

人出のデータを見ると、札幌駅の周辺では10月17日頃に大きな山がありました。その後、11月3日及びその後の2度の週末には人出が顕著に減りました。このデータは、新規感染者は10月の月末に顕著な増加となり、11月17日頃から減少に転じる可能性を示しています。北海道の新規感染者のデータを見ると、確かに、10月下旬以降は顕著な増加が続きました。又、11月13日頃をピークに減少に移り始めたようにも見えます。

北海道の新規感染者数と札幌駅周辺の人出の関連があるとする根拠は非常に薄弱ですが、今後、新規感染者数が減少傾向に転じるとすれば、感染者の増減は、気温もさることながら、人出との関係が札幌でも成り立つ、という可能性があります。さて、どうなりますか、、、

11月27日の追記 今後の予想

現在全国的に感染者が増加中ですが、GoToキャンペーンをどうするのか国の方針がよく見えない状態が続いています。

さて、人出については、東京では多めの状態が続き変化はありませんでしたが、横浜とさいたまでは21日からの3連休以降少し減ったように見えます。従って、新規感染者数については、東京都では12月に入っても減少する要因は見あたりませんが、神奈川県と埼玉県では、12月上旬に横ばいか減少に転じるものと思われます。

北海道については、感染者数の急激な増加を示しておりました。しかし、札幌では、11月3日及びその後の2度の週末には人出が顕著に減りました。それに応じて、北海道の新規感染者は、11月中旬に増加率が低下し微増の状態になりました(依然として増加ではありますが、それは、PCR検査数がかなり増えていますので見かけ上は依然として増加しているように見える、ということかと思われます)。11月末から12月上旬には、微増から減少に転じるものと思われます。なお、以前、北海道での感染者数の変化から、気温低下の影響がある程度分かるかもしれない、と書きましたが、この点につきましては今の所まだよく分かっておりません。

12月9日の追記 今後の予想

前回の予想では、12月上旬の新規感染者数は、東京は増加が持続、埼玉県と神奈川県は横ばいか減少、と書きましたが、現在、東京都は微増、神奈川県は横ばい、埼玉県は増加という状況であり、予想が一部外れました。埼玉県のハズレが大きかったのは、クラスターが数箇所で発生したこともあるかもしれませんが、大宮周辺の人出で推測するのは基本的に無理があるのかもしれません。

今後の予想としては、東京都の新規感染者数は、人出の状況から一時若干減少の可能性はあるものの、12月中旬は微増あるいは横ばいが基本的な傾向かと思われます。神奈川県の新規感染者数は、12月始めの人出の減り方があまり顕著ではないため、12月中旬は横ばい状態に近いかと思われます。埼玉県については今回は様子見とします。

12月15日の追記 

全国の新規感染者数が依然として微増、よくて横ばいの状態が続いているなか、昨日、政府がようやくGoToトラベルの一時停止を発表しました。観光業者が、大きな打撃と混乱のため、大変な苦しみを味わう恐れがありますので、なんとかこれで感染が急速に収まり、また、安心して旅行できる環境に早く戻ることを願うばかりです。このタイミングで国民の動きに変化の現れることを期待します。

GoToキャンペーンについては、今までの反省のもと、場所・曜日の集中を避け、十分な感染対策を行うなどの仕組みを十分考慮した上で再開するか否か判断してもらいたいものです。

12月26日の追記 

渋谷では、12月14日の週に入り、GoToトラベルが一時停止となった後は人出が顕著に減ったように見えましたが、首相のステーキ会食報道の後の週末は人出が顕著な増加を示しました。21日の週も人出は多めです。従って、新規感染者は、12月28日の週の始めの減少と後半以降の増加を予想させますが、実際には平均化され、その週はよくて横ばいでしょう。新年1月4日の週には再び増加となるかもしれません。ただし、新規感染者数はPCR検査人数に大きく影響を受けます。年末年始は検査数が大幅に変動すかもしれませんので、データの解釈には注意が必要です。

全国各地の大都市では24、25日頃の人出が増大しています。全国のここ2、3週間の新規感染者数の増加はPCR検査者数の増加の影響もあったようなのですが、1月4日の週は感染者数の純粋な増加がありそうです。

2021年1月4日の追記 

渋谷では、年末年始には大幅に人出が減りました。東京都の新規感染者は、1月4日の週は増加しそうですが、1月11日の週は減少かと思われます。ただし、年末年始の渋谷の人出と都の感染者数の関係が不明なこと、および、PCR検査人数に大きな変動がありそうですので、予測には自信がありません。

全国的な傾向についても、東京都と似た傾向と、不確定さがありそうです。

2021年1月8日の追記 

渋谷の人出は年末年始に大幅に減少していました。又、1月4日の週もそれなりに人出は減少していました。そのような中、1月7日、一都三県に緊急事態宣言が出ました。が、政府中枢にその本気度が感じられず、国民の行動自粛の動きが強まるかどうか予断を許しません。

東京都の新規感染者は、1月4日の週には、連日2千人を超えています。後になって分かったことですが、PCR検査人数が年末年始に大幅に減り、1月4日以降大幅に増加している、ということが影響している可能性があります。あるいは、クリスマスの頃、パーティなど人出には現れない何らかの感染拡大の原因となる人の動きがあったのかもしれません。又、ウイルスの変異等も考えられますが変化が急すぎますのでおそらく違うでしょう。いずれにしても、今後の解析で原因が分かってくるかもしれません。

渋谷の人出から推測して、東京都の新規感染者数は1月11日の週は減少しそうです(ただし、年末年始の人出と感染者数の関係についての過去のデータがありませんので、自信はありません)。1月18日の週は確実に感染者数が減少しそうですが、その傾向がその翌週以降も持続するか否かは政府・自治体の本気度・対策に影響されそうです。

なお、埼玉県、神奈川県の新規感染者数については、11日の週はあまりよく分かりませんが、18日の週は減少しそうです。

2021年1月21日の追記 

渋谷の人出については、1月4日の週に続き11日の週及び18日の週の前半も、12月下旬よりも低レベルで推移しています。したがって、東京都の新規感染者数は1月18日の週に続き25日の週及び2月1日の週も減少するでしょう(緊急事態宣言がある程度効いているようです)。減少の割合は、あまり自信はないのですが、週毎に0.7~0.8倍程度かと予測しています。しかし、もし0.8倍程度だと1ヶ月で0.4倍程度にしかなりません。感染者を減らし緊急事態宣言をはできるだけ短時間で済ませないと、医療逼迫、経済活動のダメージ、生活弱者の疲弊が甚だしいものになりますので、感染者数の早期の減少を願うばかりです。

なお、1月7日の週の新規感染者数の大幅な増加には、1月5日頃からのPCR検査人数の急激な増加の影響もあったようです。

又、もし今後新規感染者数が上で書いたような減り方をしない場合は、気温の要因のほか、英国や南アで変異したコロナの感染拡大など、今までと違う要因を考慮する必要があるかもしれません。今後、特に変異株には最大限の注意が必要です。

2021年2月7日における予想

渋谷のスクランブル交差点での人出については、1月18日の週に続き25日の週は少ない状態で推移しました。しかし、2月1日の週に入ると、前半は少なかったものの後半は少し増加傾向になりました。従って、東京都の新規感染者数は2月1日の週に続き8日の週は減少すると予想されますが、2月15日の週は減少が鈍るかもしれません。

新規感染者数の減少の割合は、ここ2~3週間と同様、週毎に0.7~0.8倍程度かと予測しています。今までの傾向を参考にすると、PCR検査数が減少傾向にある場合は週毎に0.7倍、PCR検査数にあまり変化がない場合は0.8程度かと予想されます。2月15日の週は不明です。

2021年2月15日における予想

渋谷のスクランブル交差点での人出については、2月4日頃から増加があり、その状態がしばらく続いています。渋谷以外の地点では、目立った人出の増加はありませんので信頼性に疑問が生じます。が、ここでは、これまでと同じく、渋谷のデータに基づいて新規感染者数の予想をします。2月8日の週は顕著に減少しましたが、2月15日の週は減少傾向が鈍り、2月22日の週は横ばいに近づくかもしれません。

なお、ここ一月ほどPCR検査人数が減少し続けており、最近の新規感染者数は実態よりも急速に減少しているように見えている可能性がありますので注意を要します。

2021年2月26日における予想

渋谷のスクランブル交差点での人出については、2月15日の週の平日は少ない日が多かったものの週末に人出が増加し、その後2月22日の週の前半は人出の少ない日もありましたが多めの日も増えています。

東京都の新規感染者数については、2月22日の週は前回の予想で横ばいかと書きましたが、今のところ減少となっており予想が外れました。今週は減少傾向が続きそうです。しかし、3月1日の週は横ばいあるいは増加になりそうです。3月8日の週は減少に転じて欲しいのですが今週末の前後の人出次第でしょう。

なお、今まで、感染日から感染者数発表までの遅れは2週間程度と想定しておりましたが、どうやら最近はPCR検査数が減っているためか、もっと短くなっているように見えます。発症後すぐ検査をしてもらえるようになった、検査そのものに要する日数が少し減った、というようなことが重なっているものと思われます。従って、今回は遅れが10日程度として新規感染者数の予測をしてみました。

2021年3月8日における予想

渋谷のスクランブル交差点での人出については、2月20前後の週末は人出の多めの日が続きました。27日前後も同じ程度です。最近は週末の人出が増えているようで、3月6日前後の週末も増えました。

東京都の新規感染者数については、3月8日の週は横ばいとなりそうです。3月15日の週も横ばいあるいは微増の恐れがあります。

2021年3月15日の追記

今まで、感染者数の予想を言葉で表現してきましたが、表計算ソフトを用いて数字で表現できるようにしました。私の別ブログの「表計算ソフトを使い、東京都のコロナ感染症新規感染者数の2週間予測をしてみた」を参照してください。今後は、今ご覧のこの記事での感染者数の予測情報の更新は停止しますので、上のブログ記事をご覧ください。

< コロナ関連記事 >

このブログに書いたコロナ関連の記事は、以下のとおりです。

また、私の別ブログに書いたコロナ関連記事は、以下のとおりです。

1 コメント

  1. Thanks for ones marvelous posting! I really enjoyed reading it, you may be a great author.

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