絵本江戸土産(広重)第7編21 品川洲崎辨天の祠 芝浦の眺望
絵本江戸土産の第7編の「品川(しながわ)洲崎辨天の祠(すざきべんてんのほこら) 芝浦(しばうら)の眺望(ちょうぼう)」です。
絵には「深川(ふかがわ)にも同名(どうめい)あり。思うに、ここには元地(もとち)なるべし。元来(がんらい)海の出洲(です?)なれば、風景(ふうけい)はいうに及ばず、この後(うし)ろは妓楼(ぎろう)の正面(せいめん)或(ある)いは綾羅(りょうら 美しい衣服)の袂(たもと)をかざし、糸竹の音(いとたけのね 楽器の音)の賑(にぎ)わしきも。岸(きし)によせくるささら浪(ささらなみ さざ波)の音(おと)に和(わ)して、いと興(きょう)あり」とあります。
上にも書かれているように、深川(江東区)にも洲崎弁天がありましので、少々ややこしいのですが、こちらは現在利田(かがた)神社と呼ばれています。
下は、利田神社です。
広重の絵によると、上の写真の左側は川(江戸湾につながる)ですが、現在は公園(暗渠)になっています。ここからもう少し北(絵の洲崎弁天の手前の堀を左方向)へ進むと運河が現れます。下は北品川橋で、この辺りには屋形船が泊まっており、古の名残が感じられます。残念ながら、現在ここから東京湾は見えません。