絵本江戸土産(広重)第3編21&22 角筈熊野十二社権現 と 其二大瀧

 絵本江戸土産の第三編の「角筈(つのはず)熊野十二社権現(くまのじゅうにしゃごんげん)」です。

 絵には、「この社(やしろ)、物舊(ものふり)、神寂(さみさび)て、神威(しんい)殊(こと)に尊(とうと)し。また、十二相(じゅうにそう)と唱(とな)うる大いなる池ありて、山水(さんすい)自然の絶景なり。実は、十二所権現(じゅにしょごんげん)という。十二相とは訛(よこなま)れるなるべし。この池より落(おつ)る大瀧あり。その図次にあらわす」とあります。

 「其二 大瀧(おおたき)」です。

 絵には、「近来(ちかごろ)この所(ところ)の池より落(おつ)る小滝(こだき)をもうけて夏月(かげつ)納涼の一助とす。都下の人々ここに群集(ぐんしゅう)し、この滝を浴(あ)みて逆上(ぎゃくじょう)を治(じ)し、且つ、發狂(はっきょう)等の病を癒(いや)さしむ」とあります。

 角筈熊野十二社権現は、熊野十二所権現社、十二相とも呼ばれる、現在の熊野神社です。新宿の東京都庁の近くに位置しますが、当時は、境内の前が大きな池だったそうです。上の2枚の絵に熊野神社は描かれていませんが、おそらく、1枚めの絵の左側の画面の外にあるものと思われます。

 下は、熊野神社前で撮っていますが、この辺りは池の畔でした。

 下は、熊野神社の拝殿です。

 下は、大滝のあった辺りかと思われる新宿中央公園です。

 

 

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