絵本江戸土産(広重)第7編15 同所新富士山上眺望

 絵本江戸土産の第7編の「同所新富士山上眺望(しんふじさんじょうちょうぼう)」です。同所というのは目黒です。

 絵には「前図の少し傍(かたわら)に、新富士(しんふじ)と称(とな)うれども何時(いつ)築(つき)立(たて)しものやらん、その年月(としつき)も詳(つまびらか)にせず。俚俗(りぞく)に新(しん)という名は負(おわ)すれど、樹木(じゅもく)のありさま芝生(しばふ)の貌(かたち)宛(さながら)近きものにはあらず。四時(しいじ)の差別(けじめ)はなきものながら、この山上より眺望(ちょうぼう)すれば、秋は殊(こと)さら眼下(がんか)の諸木々(もろきぎ)或(ある)いは紅(くれない)あるいは黃(き)に染(そめ)なしたる霜葉(そうよう)の機ばり(幅ばり はたばり 幅のこと)広(ひろ)き錦(にしき)のごとし」とあります。

 この富士塚を新富士と呼ぶのは、現在の東急東横線の中目黒駅の近くにあった富士塚を元富士、こちらを新富士、と呼んだことに因みます。

 東急東横線の祐天寺駅の東500メートルほどのところに別所坂があり、その坂の上の辺りにあったようです。

 下は現在の別所坂です。上の絵の富士山側から登ってきていることになります。

 この坂の上に、説明板が置かれています。

 下は、その説明板です。

 この辺りから西側を撮ってみました。この方向にひょっとすると富士山が見えるのかもしれません。中央のビルの左側に大山と思しき山がみえますので、富士山はちょうどビルの陰でしょうか。

 

Follow me!

コメントを残す