絵本江戸土産(広重)第6編11、12、13&14 金龍山観音堂奥山、其二 同所辨天山、其三 雷神門 & 其四 雷神門前廣小路並木茶屋

 絵本江戸土産の第6編の「金龍山(きんりゅうざん)観音堂(かんのんどう)奥山(おくやま)」です。

 絵には「浅草観音奥山(あさくさかんのんおくやま)の光景(ありさま)江都(こうと)第一の賑(にぎわ)いなり。数十末社(まっしゃ)ありて、おのおの甍(いらか)をならべ、松井源水(まついげんすい)の独楽(こま)は世間に名高(なだか)く水茶屋(みずちゃや)、土弓(どきゅう)、その餘(よ)の繁華(はんか)いわんかたなし」とあります。

 上の絵の右が本堂で、左側が茶屋などの集まっているところです。

 下は本堂の写真です。

 下の絵は「其二 同所辨天山(べんてんやま)」です。

 絵には、「仁王門(におうもん)前右の方にあり。麓(ふもと)に大いなる池あり。この山上(さんじょう)に鐘楼(しょうろう)ありて昼夜(ちゅうや)二六(にろく)の時を報(つぐ)る。明け六つ(あけむつ)をもて仁王門をひらき、晩六つ(くれむつ)をもて是を閉(とず)る。この鐘(かね)をもて当山(とうざん)開閉の規(のり)とせり」とあります。右端の小高い丘が弁天山で、現在も弁天堂があります。

 下は弁天堂です。が、現在、この周りに池は見当たりません。

 おそらく、上の絵の左端の屋根が仁王門(現在の宝蔵門)で、その右が五重塔(現在は宝蔵門の左側に移されている)で、

 下は「其三 雷神門(らいじんもん)」です。

 絵には、「金龍山浅草寺(きんりゅうざんせんそうじ)の総門(そうもん)なり。左右に風雷(ふうらい)の二神を安置(あんち)す。因(よっ)て俗に雷門(かみなりもん)という」とあります。

 下は「其四 雷神門前広小路(らいじんもんまえひろこうじ)並木茶屋(なみきちゃや)」です。

 絵には、「右雷神門(らいじんもん)の通りを並木(なみき)といい、西の方、広き所を広小路(ひろこうじ)という。並木は左右広小路は片側料理屋(りょうりや)軒(のき)を並べて、賑(にぎ)わいいわんかたなし。この所(ところ)目川菜(めかわな)めし、田楽(でんがく)をもて名物(めいぶつ)とす。月ごとの十七日より二十三日にいたり、時々の花をひさごに是(これ)を花市(はないち)という。夏月(かげつ)夜に至りて麦湯(ばくとう 麦茶)のかけ床机(しょうぎ)出(いだ)し、その外(ほか)様々の商(あきな)いもの、更(さら)に、**の地なきにいたる。誠(まこと)に東都(とうと)の一奇観(いつきかん)なり」とあります。

 

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