絵本江戸土産(広重)第7編01 浅草金龍山境内桜
絵本江戸土産の第7編の「浅草(あさくさ)金龍山(きんりゅうざん)境内桜(けいだいさくら)」です。
絵には「去年(きょねん)安政三丙辰、同所(どうしょ)奥山(おくやま)に千本(ちもと 数えられないほどの)花を植(うう)る。元来(もとより)何人(なにひと)の寄進(きしん)なること定(さだ)かならねど、多く北里(ほくり)の名妓(めいぎ)これを献(たてまつ)り、おのおのその名を記(しる)したる。簿(ふだ)を挂(かけ)たりしも雨露(うろ)に朽ちて後には別(わき)かたけん。実に春時(しゅんじ)の一賞翫(しょうがん)。名だたる芳野(よしの)の山桜も争(いかで)かこれに及(およ)ぶべき。況(いわん)や東都(とうと)に比すべきなく、その景(けい)扶桑(ふそう 我が国)に冠(かん)たるものなり」とあります。
浅草寺の本堂から北西側を奥山と呼びようですが、上の絵には五重塔が見えますので、本堂から東ないし南東を見ている絵のようです。
下は、南東側から見た本堂です。この手前の角辺りを歩いている絵でしょうか。