名所江戸百景014 春の部 日暮里寺院の林泉

 名所江戸百景の「日暮里(にっぽり)寺院の林泉(りんせん)」です。

 日暮里は、上野から谷中、日暮里、道灌山と続く台地の一部です。東から北へかけての視界の開けた風光明媚なところです。林泉とは、木立や、池、泉を配した庭園のことで、清雲寺、修性院、妙隆寺、浄光寺等の庭園が有名だったのだそうです。

 ところで、上の名所江戸百景の絵には、この寺院の名称が明示されていません。

 下は、広重の絵本江戸土産の「日暮里 諏訪の臺(ひぐらしのさと すわのだい)其二 同所 寺院庭中 雪の景」です。このリンク先のブログでは、この寺院はどこなのかあまり明確ではないことを書いてあります。ポイントは、絵の中央少し右にある帆掛け船のような、雪を被った樹木です。

 下は、江戸名所図会の「日暮里総図」の其一(実は其三の間違い)です。絵の右上に浄光寺、絵の左下に修性院があります。名所江戸百景の絵は、これら2つの寺院のいずれかだろうと思われます。

 下は、浄光寺です。

 下は修性院です。

 

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