平家物語 について
平家物語とは
平家物語(へいけものがたり)は、鎌倉時代に成立した軍記物で、保元物語、平治物語の後の時代に当たる、平家の栄華と没落を描いた物語です。「祇園精舎の鐘の声……」で始まる、よく知られた古典で、作者は、信濃前司行長(しなののぜんじ ゆきなが)とされています。
現存している諸本は、語り本(語り系、当道系とも)と読み本(増補系、非当道系とも)の二系統に分けられる、とのことですが、くずし字学習中の身にとっては、自分のレベルに合っているかどうかで決めればよいものと思います。
どこにある
アクセスしやすいデータベースを上げます。一つは、早稲田の「古典籍総合データベース」で、「平家物語」で検索すると何種類も出てきますので、ちょっとみて、読めそうな版を選べば良い、と思います。漢字の多い少ないなど、自分のレベルに合ったものを選んで下さい。系統だとか何だとかの難しい話は後にしてもよいでしょう。他には、国立国会図書館の開館60周年記念貴重書展の「平家物語・謡曲」のページで、古活字版、写本があります。
どの程度楽しいか
平家物語は、軍記物ですから、そもそも人を楽しませるための本です。物語として読んでいて面白いのですが、仏教用語やら役職・官名やらがやたらに多いのが難点です。手元に、テキスト文書、あるいは、注釈書を置いて読むと助けられます。しかし、だんだんとそれらに頼る頻度が減ってきます。言葉を知らなくても分かるようになる、とまでは言いませんが、是非調べるべき語か、調べなくても済む語か、の見当がつくようにはなります。