くずし字学習5 ひらかな
ひらかなを覚えるには、とにかく慣れることが大事です。
最初は仮名の一覧表などを見て覚えようとするのですが、覚えてもすぐに忘れますし、他の仮名との微妙な違いも頭に入りません。とても覚えきれないので、一覧表をさっと見たら、実際にくずし字をひたすら読んで少しづつ覚えるのがよいでしょう。
私が最初に使ったのは百人一首の写本です。歌はだいたい覚えているので(歌を覚えていることが前提)文字の類推ができ、うろ覚えでもだいたい分かるのが利点です。読んでるうちに慣れてきます。
その次は古今和歌集などは如何でしょう。古今和歌集は、知らない歌が多いため、百人一首よりは難易度が上がります。しかし、仮名が多いため、仮名の勉強になります。
その後は、江戸時代の大衆向けの読み物がよいかと思います。江戸後期に出版文化の華が開き、たくさんの出版物が現れました。特に、漢字にかなが振られている木版印刷だと、比較的きれいな文字ですし、用いられるかなの種類が少ないので、覚えやすいといえます(逆に言うと、これだけではかなの種類が少ないので、読書の範囲を広げてください)。別のメリットとして、漢字もふんだんに使われていますので漢字も覚えます。漢字の読みにはかなりの自由度があるようですし、当て字も多いので、面食らうところも多いとはいえますが、漢字の異体字も覚えられます。
私は、面白くて、滝沢馬琴の南総里見八犬伝、鎮西弓張月他を読んでしまいました。
以上、いくつかご紹介しましたが、平仮名にはバリエーションが多いため、他の様々な文献にも目を通しておく必要があることを強調しておきます。
なお、変体仮名一覧表をポケットに入るように縮小印刷しておくと便利です。