絵本江戸土産（広重）第８編10　萬年橋柾木稲荷

　絵本江戸土産の第８編の「萬年橋（まんねんばし）柾木稲荷（まさきいなり）」です。

　上の絵には「大橋（おおはし）の傍（かたわら）にあり。これを高尾稲荷（たかおいなり）ともいう。最（もっとも）種々（しゅじゅ）の利益（りやく）ありとて、詣人（けいじん）常（つね）に絶ることなく、報賽（ほうさい　成就の御礼の参拝）には幟（のぼり）を献（けんず）ず。故に幟その数（かず）を知らず。景地（けいち）にあらずといえども臨（のぞ）みたる社頭（しゃとう）のさま神寂（かんさび）ていととうとし」とあります。

　上の絵は、第２編の06「新大橋　萬年橋　並　正木の社」とほぼ同じ構図です。

　正面に隅田川に架かっている大橋（おおはし）があり、手前の流れは小名木川で、萬年橋（まんにんばし）が架かっています。橋の向こうの幟のある辺りが柾木神社です。

　下は、萬年橋を隅田川の対岸（上の絵の左側）からみた写真です。