絵本江戸土産(広重)第2編12&13 築地御坊

 絵本江戸土産の第二編の「築地(つきじ)御坊(ごぼう)」です。現在の築地本願寺です。

 上の絵は、本堂を南西から見ています。現在の築地本願寺本堂は北西を向いていますが、江戸時代は南西を向いていました。絵の手前の参道入り口は現在の波除通り、参道の先に見える山門は、現在の晴海通りの南門の辺りだったようです。参道の両側には塔頭がたくさん並んでいました。

 さらに、「其二 築地御門跡(つきじごもんあと)」です。

 其二には、「築地御門跡 是(これ)を本願寺(ほんがんじ)御門跡という。開山(かしざん)親鸞(しんらん)上人なり。十一月二十二日より二十八日まで、開山(かいざん)忌また御講と云いて、参詣群集おびただし。当御堂は、東都において真宗第一の御堂なり」とあります。

 御門跡とは、皇族・公家が住職を務める特定の寺院を指します。

 其の二の絵は、築地本願寺を東角から見ている絵です。西南西に富士山が見えています。当時の本願寺の北東・南東・南西側は堀になっていました。

 下は、現在の築地本願寺の本堂です。本堂は、明暦の大火、関東大震災で消失しましたが、現在の本堂は1934年に再建されたのだそうです。

 

 

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