絵本江戸土産(広重)第2編14&15 芝浦
絵本江戸土産の第二編の「芝浦(しばうら)」です。
絵には、「田町(たまち)辺(あたり)の惣名(そうみょう)なり。この所より見わたせば海水(かいすい)渺々(びょうびょう)として安房(あわ)上総(かずさ)を望み、右に羽田(はねだ)の森(もり)幽(かすか)にて遠く見ゆる白帆(しらほ)のさま、常に月雪(つきゆき)にます絶景なり」とあります。
次は其二です。
其二には、「沖より陸地を見たるさまなり。夏の末より秋に至り、釣(つり)する小船(おぶね)日毎に絶えず。諸国の入船(いりふね)出(いず)る船、実(げ)に繁盛を顕(あらわ)せり」とあります。
其二には、「増上寺」と「神明宮」、それと遠景に富士が見えます。神明宮とは、芝大神宮のことだと思われますので、この絵は、旧芝離宮庭園あるいは〈もう少し南の沖辺りから見た風景でしょう。