絵本江戸土産(広重)第2編20&21 御殿山の花盛
絵本江戸土産の第二編の「御殿山(ごてんやま)の花盛」です。
絵には、「寛文(1661~1672)の頃とかや。和州(わしゅう 大和国)吉野(よしの)の桜木(さくらぎ)をここに移されたりしより、盛りの頃の賑わい他(よそ)に比ぶるかたもなし」とあります。
下は「其二」です。
「其二」には、「慶長(1596~1615)元和(1615~1624)のそのむかし、省耕(せいこう)の殿(との 御殿)ありしにより、御殿山(ごてんやま)とぞ名におえる。左に深川(ふかがわ)洲崎(すざき)を望み、右は遥かに安房(あわ)上総(かずさ)かすめる春は殊更(ことさら)興(きょう)あり」とあります。
現在も御殿山はありますが、当時とは様変わりしています。
江戸時代後期に、台場を作る目的で御殿山を削って土を運んだため、この辺りは地形が変わったそうで、広重自身も絵本江戸土産の第7編20に「再出 御殿山当時のさま」としてもう一枚描いています。
また、JRの東海道本線、山手線なども風景を変えています。
現在、御殿山庭園として緑の部分が一部残っている程度です。下は、御殿山庭園です。