「『地震予知』はウソだらけ」島村 英紀 (講談社文庫 2008)

著者の島村氏は、1960年代からの日本の地震予知政策を批判しています。著者は、この国やお役人は間違いを絶対に起こさないという「 無謬 主義」の思い込みが、次の東海地震が襲ってきたときに、かえって悪い結果を生むのではないか、という心配があり、この本を書いた、とのことです。

測定器を多数設置することにより、あるいは、その他の前兆現象を知ることにより、地震予知ができるのだはないかと、研究が進められていますが、未だに確かな予知方法は見つかっていないようです。著者は、前兆現象による予知はあてにならず、地震予知がはじまって、50年以上も莫大な予算を使いながら、いまだかつて一度も予知は成功していない、と言っています。

ところで、最近の地震予知についての政府発表は、地震発生確率で表されています。この地震発生率というのは、例えば、「今後~十年以内に地震の発生する確率は**%」という形でなされます。この意味は、非常に理解しづらくて、パーセンテージを見てもそれが、高いのか低いのか、どの程度注意が必要なのかよく分かりません。これは、長期評価と呼ぶようですが、以下のその意味を少し調べてみました。なお、この発表は、過去の地震を統計的に分析して今後の予想をしているわけですので、地震予知とは区別されています。

地震調査研究推進本部のサイトによると、長期評価の確率の計算方法には2種類の方法があり、一方は毎年更新され、もう一方は更新をしないようです。それらの計算方法を1と2とすると、次のようになっています。

「計算方法1:時間の経過とともに確率が変化するモデル」では、「同じ場所で同じような地震がほぼ一定の間隔で繰り返す」という仮定のもとに行っています。従って、どうやら、発生間隔の平均値と分散を利用し、発生予想時期の確率分布を求めるようです。

「計算方法2:時間が経過しても確率が変化しないモデル」は、発生間隔が不規則な地震の場合の計算方法だそうです。ダンダムに発生する過程をポアッソン分布で近似するようなものなのだろうかと思われます。

この本の目次は以下のようになっています。

目次
第1章 地震が予知できない理由
第2章 世界最初の地震立法ができてから
第3章 阪神淡路大震災。お役人の変わり身
第4章 不意打ち対策へのシフト
第5章 「東海地震対策大綱」が「大震法」を上塗りしたために
第6章 地震という妖怪と上手につきあう方法

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