「草原の制覇 大モンゴルまで」古松崇志(岩波新書 2020)
4世紀から14世紀までの中国の北部の草原地帯を中心とした歴史が書かれています。この地域の歴史をユーラシア東方史と呼ぶそうです。そして、4世紀というのは、漢(後漢)が滅びた後の五胡十六国の時代で、14世紀というのはご存知の元がヨーロッパまで覇権を広げた時代です。
中国の歴史に関する私の記憶では、中国歴史における北方の草原地帯は脇役に過ぎない、という印象でした。いわば、中国に対する日本みたいな位置づけというイメージです。それが、五胡十六国の戦乱のあと、北方系の部族五胡から隋や唐が出てきたりしたそうです。この本では、北部の草原地帯が昔から中国史において如何に重要だったのか、つまり、中国の歴史で、北狄(ほくてき)、東夷(とうい)、西戎(せいじゅう)の人々がとても活躍していることが分かります。
この本の目次は以下のようになっています。
はじめに
序 章 ユーラシア東方史と遊牧王朝
一 中央ユーラシアの騎馬遊牧民
二 遊牧と農耕が出会うユーラシア東方史
第一章 拓跋(タブガチ)とテュルク
一 鮮卑拓跋部と北魏
二 唐と突厥の興亡
三 安史の乱の激動
第二章 契丹と沙陀
一 契丹の建国
二 沙陀の勃興
三 沙陀系王朝と契丹
第三章 澶淵の盟と多国体制
一 澶淵の盟への道
二 タングト・西夏の台頭
三 契丹情勢と北宋の西北経略
第四章 金(女真)の覇権
一 女真の勃興
二 金の覇権とユーラシア東方情勢
三 金の変革と北方情勢
第五章 大モンゴルと中国
一 大イェケモンゴル国ウルスの建国と拡大
二 クビライと大元ウルス
三 ユーラシアの東西交流と中国
おわりに
あとがき

