「ミクロの水泳教室 驚きの流体ワールドへようこそ」石本健太(岩波科学ライブラリ 2025)

この本では、微生物のような小さな生き物が液体の中をどうして動き回れるのか、ということを説明しています。

流体を表す式としてナビエ・ストークス方程式があります。この方程式の名前は知ってはいますが、非常に難しい式で、私が扱えるような式ではなさそうです。ナビエ・ストークス方程式というのは、数学的には問題があり、未だ解決していないようですし、また、この方程式は、解ける場合もあるが、解くのは非常に難しいらしく、あまりお近づきにはなれないレベルのようです。

しかし、この本を読むと、この方程式をどのように工夫して、どのような現象に使ってきたのかが分かります。そして、この方程式を使うと、ミクロの世界でどのような現象がおきるかも分かるようです。我々の生きている世界では、我々サイズの生物は手足を動かして、水の中で動き回ることができます。しかし、ミクロの世界ではまったくことなる原理を使わなければ移動ができないようです。この本では、どうしたらミクロの生物が動けるのかを、数学的に明らかにしながら説明しています。

この本の目次は以下のようになっています。

まえがき
1時限目 ミクロの水に飛び込んでみる――常識が変わる世界へようこそ
 顕微鏡の中の世界
 微生物の世界
 体の中の世界
 ミクロの世界の不思議
2時限目 水の粘性を体験してみる――ハチミツの中の世界
 水や空気の粘性?
 流れvs粘り
 ハチミツの中の世界
3時限目 見えない世界に触れてみる――流れと粘りを解き明かす方程式
 現実世界と数学世界
 運動方程式
 流れを数式で表わすには
 流れを予言する方程式
 《休み時間》流体方程式のかんどころ
4時限目 バタ足から始めてみる――ミクロのホタテ貝は泳げない
 ストークスの法則を感じよ!
 「流れ」と「形」の密な関係
 時間が戻る流れ
 帆立貝定理 ――ミクロ遊泳の基本定理
 コラム◎帆立貝定理の簡単な証明
 ループを使って泳げ
 自然界の巧みな泳ぎ
 《休み時間》研究裏話1
5時限目 生き物に学んでみる――精子がつくった新たな1ページ
 生物運動の方程式
 理論が予言した分子モーター
 流れがあるなら逆らいたい
 《休み時間》研究裏話2
6時限目 ロボットを泳がせてみる――英雄の予言
 ファインマンのマイクロマシン
 ミクロのスクリュー
 生物模倣ロボット
 二つの顔をもつ神の粒子
7時限目 みんなで泳いでみる――小さな世界の大いなる知恵
 アクティブマター
 みんなで泳げば怖くない?
 ミクロ遊泳が地球を救う?
放 課 後 ミクロ遊泳から原生知能を探る
 あとがき
 参考文献・情報

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