「こんどこそ!わかる数学」新井紀子(岩波科学ライブラリ 2007)

日常生活ではあまり言葉の定義をせずに会話したりしています。しかし、きちんと定義したうえで会話する、推論する、つまり論理的思考をするというのはなかなか難しいことです。この本では、数の定義、論理、関数、確率などを話題にお話しがすすみます。あたりまえに知っているはずだと思っていたことが意外と不正確であり、それらを一つ一つ指摘されるとなかなか考えさせられます.

「はじめに」で著者は「どんな授業ならば,論理的思考力がつくのでしょう.それは,私ひとりに答えることは到底できない大きな問題です.ただ,もし,明日から中学3年生に対して授業をすることになったとしたら,私はこんな問題を問いたい,という思いはあります.その思いを仮想授業として形にしたのがこの本です」と書いています。そんな思いを持ってこの本を読むとよいかもしれません。

ところで、「あとがきにかえて」では、よく聞かれる質問からいくつか選んで答えが書かれています。
例えば、「大人になって二次方程式の解なんて求めることはないと思います.中学校以上の数学を勉強する必要ってあるんでしょうか」というのがあります。著者は以下のように答えています。

数学の授業では,そこで習う個々の内容も大切ですが,それ以上に大切なのが,数学の手法を使えるようになることなのです.方法というのは,「やり方」のことですね.泳ぎ方,逆上がりのやり方. これらを文章で読んでも身につかないのと同じように,数学のやり方も実践しないと身につかないんです.ですから,式や図形,確率など,さまざまな材料を使って,繰り返し練習しないと簡単にはできるようになりません。

この本の目次は以下のようになっています。

はじめに
1 数学の国語辞典
2 「定義」からはじめよう
3 ところで,数ってなんだっけ?
4 こんなかけ算できる?
5 背理法に挑戦
6 「関係」をつかむ
7 簡単な関係を式にしてみる
8 一次関数を攻略しよう
9 グラフで表わしてみよう
10 逆関数とはどんな関数?
11 牛乳パックのひみつ
12 迷ったら表で乗り越える
13 「ラッキー」を確率ではかる
14 ニセ定理を見破れ(その1)
15 ニセ定理を見破れ(その2)
 
あとがきにかえて――数学質問箱

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