「最終結論 邪馬台国は阿波だった! サイエンスで読み解く古代史ミステリー」越智正昭(リベラル新書 2024)
邪馬台国は阿波にあった、と主張する小説「ヒミコの暗号」を読んで、邪馬台国阿波説について少し知りたくなりました。私は知らなかたのですが、邪馬台国阿波説を唱える人はそれなりにいるようで、その中の一冊を読んでみました。
それが、この「最終結論 邪馬台国は阿波・・」です。著者は、歴史の専門家ではなく、IT業界の人物で、この本では理系の人間はどのように考えるか、どのように解釈するか、という視点で説明しています。文献と、地理、自然、伝承などから魏志倭人伝に書かれた邪馬台国へ至る道を探っており、そして、阿波が邪馬台国としてふさわしい土地であることを述べています。ただし、これらの説明はあくまでも状況証拠であり、そこに邪馬台国があったこと、住居跡などの実証的な説明はありません。この著者は非常に潔くて、この本の「おわりに」で「私の立てた仮説について、いかがでしたでしょうか? 後は決定的な物的証拠を見つけ出すだけです。これに関しては、地元にお住いの方々にぜひお任せしたいと思います」と書いています。
実際、この著者が邪馬台国阿波説をある新聞のコラムに書いたのは8年前であり、そのまま放ってあったものを、邪馬台国阿波説の支持者が是非書籍化するように薦めたことがこの本の出版の契機になったようです。著者自身はIT関連の企業の社長業、大学の客員教授などを務め、自らが歴史の研究を行えるような状況ではなかったようです。この先、邪馬台国阿波説の実在を示す研究の進むことに期待しましょう。
