スライム遊び

スライム作り/遊びの最大の人気のもとは、その手触り感のようですが、材料を混ぜているうちに液体がスライム状に変わる様子もまた子供達には感激を与えるようです。

ところで、科学塾で子供達に作らせる場合、最も注意を払うのは材料です。材料の混合比率とその安全性です。作り方、遊び方、注意点について書きます。

1.材料

スライム作りで使う材料は、インタネットで探すとすぐ分かりますが、大抵、ホウ砂とPVA系洗濯のりを使っています。

ホウ砂(硼砂、四ホウ酸ナトリウム)は薬局で買えます。家庭で使うには多すぎてしまうのが難点です。

PVA系洗濯のりはスーパー、ホームセンター等で買えます。澱粉系の洗濯のりも使えるとの記述も散見しますが、私は使ったことがないのでお勧めしません。なお、PVAはポリビニールアルコールのことで、一言で言うと、水に溶けるプラスチック、となります。その本来は水に溶けるPVAが、ホウ砂と化合すると分子レベルでネット状の構造を作り水の分子を閉じ込めるため、ぷよぷよしたスライムが出来上がるようです。

2.作り方

先ず、ホウ砂を水に溶かします。飽和状態の水溶液では濃度が5%程度になります。私は、飽和水溶液を使っていましたが、必ずしも飽和水溶液でなくてもよいようです。1%水溶液でもよい、との報告があります。安全性を考慮して濃度を下げているようです。安全の問題については、後述します。

次に、PVA系洗濯のりと水をプラコップ、紙コップ等に同量程度入れて割り箸等でよく混ぜます。

その後、ホウ砂水溶液を少しずつ加えながら割り箸などを使いよく混ぜます。ホウ砂水溶液の量は、(洗濯のり+水)に対して、10%(飽和水溶液)~50%(1%水溶液)以下でスライムになります。なお、混ぜる時は、一所懸命に力を入れて混ぜて下さい。静かに混ぜるとなかなか固まらないことがあります。

ところで、スライム作りにはいろいろなバリエーションがあります。例えば、上の例では、コップの中でかき混ぜる方法を書きましたが、材料をビニール袋(ジッパー付がベター)に入れて、袋ごとこねる方法もあります。また、使う材料としては、PVA系洗濯のりを使うのが普通ですが、接着用の合成糊(PVA系)を使うこともできます。合成糊はPVA含有量が多いため、硬めのスライムを作る時などに有利です。試してみて下さい。

3.遊び方

感触、形の変化を楽しむ他、絵の具そのものをスライムに溶かし込んだり、違う色のスライムを混ぜたり、プラスチック板にカラーの水性マーカーペンなどで書いた文字や絵をスライムに写し取ったり、粉末状の磁性体をスライムに混ぜて磁石をスライムが包み込むように動くのを楽しむ、等いろいろな遊びがあります。

また、食塩を混ぜると水分が抜け出すため硬くなったり、酢を混ぜると液状になったり、といったことを確かめることもできます。

4.注意(特に安全面)

ホウ砂には毒性があるそうで、小児が5~10g程のホウ砂を食べると嘔吐、腹痛その他を起こすようです。従って、上で作った飽和水溶液を100cc以上飲むのは危険、ということなります。1%水溶液の場合は500cc以上、です。1%水溶液を勧める理由はこの辺りにあります。また、スライムになった状態では、1キログラム以上食べると危険です。

以上の点を考慮すると、ホウ砂水溶液の状態からスライムを作るのであれば、実際上殆ど衛生上・安全上の問題は生じないことになります。とはいえ、飲んだり食べたりしてはいけませんので保管時は乳幼児の手の届かないところに置いて下さい。また、スライム作りの後、あるいは、スライムで遊んだ後は手を洗うよう指導して下さい。

スライムを捨てる時の注意も書いておきます。

スライムの主原料であるPVAは水に溶けるプラスチックといえます。従って、スライム状になっていればプラごみとして捨てて下さい(自治体の指示に従って下さい)。液体状のスライム(というのは変な表現ですが、例えば、スライムに酢を混ぜて液体にした場合)は、下水に流してかまいません。

以上のような点を注意をして、スライム作り/遊びを楽しんで下さい。

なお、この記事は、2009年の記事を編集して再掲しました。

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