「『心のクセ』に気づくには」村山綾(ちくまプリマー新書 2024)
この本は、認知バイアスについて中高生に向けて書かれた本です。ただし、「認知バイアス」という言葉は使われておらず、「心のクセ」と書かれています。認知バイアスに関する本を読むと、いろいろな難しい言葉が並ぶので閉口することが多いのですが、この本は平易な表現が使われており大変読みやすくなっています。人が考えるときのクセをざっと知るには最適な本かと思います。
この本では、どうしたら認知バイアスから逃れられるか、ということにはあまり重点を置いていいないようですが、心のクセに気づくこと、それが重要、という考えのようです。確かに自分や他人の心のクセを知るだけでも大きな力になります。
この本では、各章は下のように、「人は、・・・したい」という表現をとっかかりとして人の心のクセが説明されますので、とても分かりやすくなっています。
第1章 人は、「結果」に対する理由がほしい
第2章 人は、秩序ある社会への強い想いを抱く―公正世界理論とは
第3章 人は、因果応報ストーリーを好む
第4章 人は、世界をカテゴリー化して理解したい―ステレオタイプ・偏見・差別
第5章 人は、そもそも予測できない将来はのぞまない―現状肯定の心理