「<狂い>と信仰 狂わなければ救われない」町田宗鳳(PHP新書 1999)

著者は臨済宗の僧侶で大学でも教えている方のようです。この本では、「悟る」とはどういうことか、どういう状況か、をいうことを書いています。実は、前に書いたブログ記事「私達凡人も悟ることはできるか」を書く際にこの本を参考にしようと思ったのですが、うまく参照できませんでした。

以下に、本書に書かれていることを少しまとめます。

本書の内容

宗教の原点について「宗教の原点は、苦悩である。これだけは、私にとってどうしても割り引きのできない真理だ。おまけに、その苦悩とやらは、か弱い人間の息の根をいとも簡単に止めてしまうほどの壮烈なものである」と書いています。苦悩から始まるのは間違いなさそうです。

宗教体験について「苦悩が救いへと転換する瞬間を宗教体験と呼ぶことにすれば、それを体験する者の眼前にまず最初に浮かび上がってくるのは、強烈なイメージである」ということです。

狂いについては、「本書の中で私がたびたび使おうとしている〈狂い〉という言葉は、無意識の領域から突き上げてくる統制しがたい情動という意味で、精神医学でいう〈生命感情〉に一番近いように思われる」とあります。

そして結局、「どうも人と神が出会う、つまり何らかの宗教体験が成立するのも、実はこの〈狂い〉の場をおいて、他にはないのではないかという気がしてならない。ある宗教を信じる、あるいは実践するということも、この〈狂い〉の世界に、自ら意を決して突入していくことではないだろうか」ということです。

この後、「狂い」について様々書かれていますが、私には経験不足で実感が湧かないためどうにもまとめられません。このへんで終わりにします。

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