「みんなが知りたい化石の疑問50」北村 雄一(サイエンス・アイ新書 2011)

この本の名称は「みんなが知りたい化石の疑問50 一部の化石からどうして全体がわかるの?映画のようにDNAから恐竜を再生できる?」のようです。サイエンス・アイ新書は、科学技術に興味のある高校生から社会人に向けた本だそうで、この本は、化石のギモンに関し50の質問に答える形で書かれています。

いくつか紹介

「Q04 化石は石なの? それとも骨なの」
珪化木は、生物を構成する炭素、酸素、水素が二酸化炭素と水になって消えていく一方で、水の中の鉱物(珪酸 SiO2)がその隙間を埋めていったものだそうです。多くの化石では、珪酸よりも炭酸カルシウムが作用しているようです。

「Q06 化石になる確率はどのくらい?」
化石になる条件は厳しくて、かなり低いようです。主な条件は、死んだ動植物が生物に食べられなかったこと(普通は、あっという間に食べられ、腐敗してしまう)、そして、化石として見つけてもらうために都合の良い地層の変化があったこと、等難しい条件が重なり初めて人間に発見されることになります。

タイプミスと思しきところを見つけました。Q35に、「地震の波には横揺れであるP波と、縦揺れであるS波があります」と書かれています。P波は縦波、S波は横波と書いてあれば理解できるのですが、横揺れ、縦揺れの意味がよく分かりません。鬼の首をとったみたいに喜んでいますが、これがミスであったとしても、この本では本質的なことではありません。

内容

上に書いたような興味あるお話がいろいろ書かれています。各章につき、出版社のサイトには、次のような紹介があります。非常に分かりやすいので引用します。

第1章 化石に関する素朴な疑問
この章では化石の基礎知識を身につけるために、化石とはなにかという基本的なことから、
化石が見つかる場所、化石からなにがわかるのか、などについて解説していきます。

第2章 地球と生物の歴史に関する疑問
化石に興味をもったら、その化石となった生物がいつの時代に、どのように生きていたのかの興味もわいてくるのではないでしょうか?
そこで第2章では、動物が誕生するまでの地球の姿と、その後の移り変わりについて、時代ごとに解説していきます。
どんな生物がどの次代にいたのか、ここでしっかりつかみましょう。

第3章 化石に関するさまざまな疑問
最近では化石は、イベントやネットオークションで気軽に入手できるようになりました。
入手した化石を眺めていると、果たしてこの化石は本物なのか、ここから恐竜を再生できるのか、などの疑問がわいてこないでしょうか。
ここではそんな化石に関するさまざまな疑問について答えていきます。

第4章 古生物学に関する疑問
化石のコレクションができ始めると、それをきちんと整理することも考えなくてはいけません。
ここで役立つのが、化石を系統立てて分類する方法です。
この第4章では、生物の系統に関してくわしく解説していきます。
ここまでの知識をしっかり身につければ、化石コレクターとしての自信がついてくるはず!

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