「三つの石で地球がわかる」藤岡換太郎(講談社 ブルーバックス 2017)
この本の名称は「三つの石で地球がわかる 岩石がひもとくこの星のなりたち」のようです。
岩石を覚える
岩石というと、とにかく石の名前を覚えなくちゃいけなかった記憶があり、私も昔、「カリアゲ」、「シンカンセンハ」とか、「リカちゃん焦ってゲロはいた(少し上品に 下駄履いた)」、とか、一生懸命暗記した覚えがあります。それでも、岩石のことをちっとも覚えられませんでした。しかしこの本によると、3つの石がわかればすべてが分かるらしいので、それを信じて読み始めてみました。なるほど。この本を読んで、初めて、岩石のことが少し分かったような気がしました。
その三つの石の名前は「橄欖(かんらん)岩」,「玄武岩」,「花崗岩」です。
橄欖岩というのは、マントルを構成する石で、地球で最も多い岩石。うん。分かった。
玄武岩というのは、橄欖岩の次に多い石で、海洋プレートの地殻を作っている。うん、分かった。
花崗岩というのは、その次に多い石で、大陸プレートの地殻をつくっている。うん。分かった。
という具合に、少しずつ石の成り立ちや性質がわかりだしました。と、書けるほど簡単ではないのですが、それにしてもとにかく、だんだん分かったような気分になるように工夫がされている本です。上の三つの石から更に大事なさまざまな石が少しづつ分かるようになります。地球の石のことがまったくわからん、という人には一読をおすすめします。
目次
目次は以下のようになっています。
はじめに
序章 そもそも、石とは何だろうか
第1章 マントルをつくる緑の石──橄欖岩のプロフィール
第2章 海洋をつくる黒い石──玄武岩のプロフィール
第3章 大陸をつくる白い石──花崗岩のプロフィール
第4章 石のサイエンス──鉱物と結晶からわかること
第5章 三つの石と家族たち──火成岩ファミリーの面々
第6章 三つの石から見た地球の進化──地球の骨格ができるまで
終章 「他人の石」たち
あとがき
参考資料